まんとみだより Vol.28
日々、自分を超えていく子どもたち
幼稚園の庭では、毎日いたるところで自らやってみたいと思う遊びに熱中する子ども達の姿があります。例えば、縄跳びに夢中なキイロさん(4歳児)やキミドリさん(5歳児)たち。順番を待ちながら、楽しそうに「ゆーびん屋さん落としもの…1枚、2枚…」と歌い、自分の番になると真剣そのもの。「今、10枚まで跳べた!次はもっと跳べるかな?」と何度も何度も挑戦する様子に、周囲の私達も思わず見入ってしまいます。

一方、水道近くでは、オレンジさん(3歳児)がプラスティック容器の底の方にこびりついた湿った泥を、何とか取ろうとして色々なやり方でやっています。しばらくして「あーなるほど、ふれば出てくるんだー!」と声をあげました。その方法を発見したときの笑顔は、大人びて見えました。この一瞬をつかんだことでの成長を感じます。

キミドリさんの男の子が、細かい土を集め水を加えて泥を作り、ペットボトルのキャップにそれを詰めて、「ピカピカにするんだ!」と何度も磨いていました。繰り返し磨いて、ようやくピカピカに仕上げることができたとき、その顔は達成感でいっぱいでした。「こうすればうまくいくんだ!」という気づきの瞬間、彼の心に新たな自信がうまれたのです。誰かに褒められたり評価されたりして与えられる自信ではなく、自分でつかんだ自信は、自己信頼の力(自己肯定感)になります。
庭の片隅では、キミドリさんが塩ビのパイプを使って高いところから低いところに水を流して遊んでいます。パイプの先端を少し上に向けて水を流すことで、どのように水が出てくるのかを実験しているようです。こうした遊びの中で、子どもたちは自分から疑問を持ち、予想をたて、試していく中でさまざまな発見をし、自然と学びを深めています。

幼稚園の庭では、至る所で『アハ体験』(あーそうかわかったぞ体験)が繰り広げられています。自分が気づくこと、うまくいかない試行錯誤の過程、できなかったことができるようになる瞬間。それはまさに、今の自分を少し超えて、より成長した自分に出会う瞬間です。