お話「口の大きなカエルの子」

★せいさくで作った、パクパク人形を使ってお話を読んでみてね。
🐸マークのところだよ。
ほかに出てくる動物たちを作ってみても楽しいよ!


おはなし「口の大きなカエルの子」

昔あるところに、とっても知りたがり屋の口の大きなカエルの子がいました。
ある日、カエルの子はお母さんに聞きました。

🐸「お母さん、ほかの生き物は何を食べているの?」

お母さんは言いました。

『さあねぇ。自分で聞きに行ってごらん。でもね、聞く前に礼儀正しく自分のことを紹介するのを忘れないでね。口の大きなカエルの子です、って。』

🐸「わかったわ、お母さん。」

そう言うと、口の大きなカエルの子は、森の中へぴょんぴょん跳んでいきました。
すると最初にクマにあいました。

🐸「失礼ですがクマさん、ちょっとお尋ねしてもいいでしょうか。あなたは何を召し上がるんですか?」

クマは言いました。

『私はね、木や草の実、それから魚、大好きなのははちみつよ。』

🐸「ありがとうクマさん。あ、自分のこと紹介するのを忘れるところだったわ。私、口の大きなカエルの子です。」

そう言うと、口の大きなカエルの子は、また森の奥へぴょんぴょん跳んでいきました。
次に鳥にあいました。

🐸「失礼ですが鳥さん、ちょっとお尋ねしてもいいでしょうか。あなたは何を召し上がるんですか?」

『私はね、虫や種を食べるの。虫や種を…』

🐸「ありがとう鳥さん。あ、自分のこと紹介するのを忘れるところだったわ。私、口の大きなカエルの子です。」

そう言うと、口の大きなカエルの子は、もっと奥へぴょんぴょん跳んでいきました。
次に鹿にあいました。

🐸「失礼ですが鹿さん、ちょっとお尋ねしてもいいでしょうか。あなたは何を召し上がるんですか?」

『私はね、草や葉っぱ、冬には木の皮も食べるわ。』

🐸「ありがとう鹿さん。あ、自分のこと紹介するのを忘れるところだったわ。私、口の大きなカエルの子です。」

そう言うと、口の大きなカエルの子は森から出て、沼地に行きました。
次にワニにあいました。

🐸「失礼ですがワニさん、ちょっとお尋ねしてもいいでしょうか。あなたは何を召し上がるんですか?」

『「私が好きなのは、口の大きなカエル!お前さん、口の大きなカエルを知らないかね?』

🐸「いいえ、口の大きなカエルなんて知りません。私は口の小さなカエルですもの。さよなら。」

口の小さなカエルは、あわてて家に帰りましたとさ。

2020年05月21日