まんとみだより Vol.20


東浪見ありがとー!

梅雨あけの7月19日、キミドリさんたちは、東浪見の日帰りキャンプに出かけました。
錦糸町駅に集合して、8時55分発の総武線快速で上総一ノ宮駅に着くと、外房線に乗り換え10時35分に東浪見駅到着。鳥の声を聞きながら、歩いて15分で東浪見の家(畠)に着きました。
 荷物を置いたらキャンプの始まりの記念撮影をして、いよいよ仕事にとりかかります。グループに分かれて、なす、ピーマン、トマト、スイカ、かぼちゃ、インゲンなどを収穫しました。作物の場所も必要な道具も、グループ仲間で知らせ合って、あっと言う間に沢山の果菜が集まりました。

採れたての野菜をどんなお料理にしようか決まると、慎重な面持ちでナスやピーマン、玉ねぎ、じゃがいもなどを包丁で切る人、夕食用のお米を測って研ぐ人、と夕食の準備も手分けして進めます。


 準備が終わったところで、お待ちかねのお弁当。大きなせんだんの木やエノキの木の木陰で、お弁当を広げます。出来たてのきゅうりの塩もみ、玉ねぎフライも並び、大人気でした。
 午後は、水着に着替えてプールで水遊びをしたり、虫捕りをしたり。熱中症にならないように、こまめに休憩をしながら、きゅうりの塩もみ、梅干し、麦茶など補給しました。

 ひとしきり遊んだ後は、大きなスイカでスイカ割りに挑戦。スイカに棒が当たりながらもなかなか割れませんでしたが、ようやく割れた時には大きな歓声が上がりました。割ったスイカはその場で切り分けられてみんなで早速いただきました。地元の農家さんからも差し入れが届き、甘ーくシャリシャリ感のある最高の味に、思う存分お代わりをしました。


 スイカでクールダウンしたところで、お揃いのTシャツに着替えました。幼稚園で玉ねぎの皮と琵琶の葉を集めて、かまどで染めたお揃いのびわたまTシャツです。陽が傾いた中で、坂滑りや虫取りなど自然に包まれて、思いおもいの遊びに興じました。
 そうしている間にスタッフによって着々と夕食の準備が進められていました。釜戸に薪をくべて、大きな羽釜でご飯を炊いたり、夏野菜たっぷりカレーや、トマトと玉ねぎのサラダ、ポテトフライ、ピーマンとナスのニンニク醤油炒めなど。いい匂いが漂ってきた頃、腹ペコの皆でシートを敷き、机を運んで夕食の準備です。東浪見の恵みと、つくった大人たちの愛情満載の夕食を囲んで、皆でいただきました。「おいしー!」「うまーい!」などの声があちこちから聞こえ、あまりの美味しさに何回もお代わりをする人もいました。


 夕食の片付けをしたら、いよいよキャンプ終盤のお楽しみが始まります。東浪見の畑で語り継がれてきた『はたけの神様』が子どもたちに手紙をくれました。そして「炎のトーチ」がプレゼントされ、キャンプファイヤーの薪に火がつけられました。炎を囲んで、子どもたちは感謝の踊り、タタロチカを楽しく踊りました。歌を歌ったり踊ったりしているうちに日が暮れてきました。小さくなっていく炎を見つめながら、長い一日もそろそろ終わりです。それぞれに荷物をまとめて、「東浪見ありがとー!」と言いながら、全員が元気に帰路につきました。

 
 まんとみの仲間と共に、東浪見の自然に触れ、感じ、その恵みを存分に満喫した1日でした。
 この記事を書きながら、レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』の一節を思い出しましたので最後にご紹介します。
【子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、『知る』ことは『感じる』ことの半分も重要ではないと固く信じています。
 子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、 さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。】

幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。 ( 浅見均 )