まんとみだより Vol.21

興味に動かされ、見通しをもって取り組む、学ぶ力

2学期が始まって間も無く、園庭の桜の木に寄り添うようにツルを伸ばしたフウセンカズラが、黄緑色や茶色の実をたくさんつけました。

それを見つけたキミドリさんが、いくつかとって風船のように膨らんだ実の中を見てみると、黄緑色の風船の中には緑色の粒が入っていました。一方茶色の風船からは黒い粒が出てきました。黒い中に白いハートの愛らしい模様がついていました。彼は黒い粒がタネだと考えたのでしょう。茶色の風船を選んでタネを集めて、プランターの土に人差し指でそっと穴を開けて、一粒ずつ丁寧にうめていきました。そして、フウセンカズラと自分の名前を書いた作物札を作ってきて、プランターにたて、毎日水やりをしていました。9月でも暑い日が続く中、1週間で発芽し、2週間では小さな苗にまで成長していました。

キミドリさん達は、東浪見での経験や、園庭での種まきや野菜の栽培などをしてきました。その経験があって、植物の実からタネをみつけ、それが発芽するまでのことを予想し、実際にやってみたのでしょう。大人が提示する見本を見てから取り組む活動とは違い、自分の興味や発見をもとにして、今までたっぷりと遊ぶ中で培った力を生かし、見通しをたてて取り組んでいる活動です。時間をかけて、色々な能力を使って、新しいことも学んだと思います。

近くで見ていたキイロさんも、タネを集めて、桜の木の下のふわふわした土をシャベルで掘って、タネをまき、世話をしていました。

キイロさんは、キミドリさんの遊びをよく見ています。面白そうだと真似してやってみるのが、まんとみの生活。大人の誘導を少なくして子ども同士が感受し合う生活で、自ら興味を持ち、実際にやりながら、考えたり試したりする過程自体が、学習なのだと思います。これから、まんとみまつりやちびっこレストラン等、仲間とのプロジェクト活動にも取り組みますが、自分で確かめた貴重な体験が生きていくことと思います。