まんとみだより Vol.22
イメージしたものを、指先で創り出す(夢中になって手や指先を使うことで、脳の発達も促される幼児期の遊び)
まんとみ幼稚園の子どもたちは、指先を使った遊びがとても好きです。例えば、泥粘土のコーナーでは、子どもたちは手指を使って、粘土と向き合い、丁寧に一所懸命に捏ねて、柔らかくて扱いやすい硬さにしていきます。写真1はキイロ(年中)さんが、恐竜図鑑でいつも見ているという憧れの恐竜を粘土で表現しました。「この恐竜は、大きくて、首も長いよ。そしてね、尻尾から頭まで三角の棘が生えているんだよ」といって、先ず胴体それから足、尻尾、長い首を粘土で作っていきました。そして、小さい指を巧みに使って三角のプレートをいっぱいつけていきました。尻尾と首の長い恐竜を作りたかった彼はだんだん面白くなってきて、尻尾も首も継ぎ足し継ぎ足ししてなんと全長が30センチ以上もある恐竜を作りました。
また、もう一人のキイロ(年中)さんはパンが大好きで、「いろんなパンを作るんだ」と言って、一所懸命捏ねた粘土を指で葉巻状にして、パンの上に切り込みをいれて「フランスパン!」。次は、手指で薄く伸ばしてくるくると丸めて、「クロワッサン!」。棒状にした粘土を巻いて、そこにチョコレートを入れて「チョココロネ!」。丸くした粘土の下を平たくして網目状に切り込みを入れて「メロンパン!」・・・・・と、様々なパンを作って、出来上がったパンを並べて、お店を開きました。
木工コーナーでは2人のキミドリ(年長)さんが、木端やコルクなどを材料に選んでいました。オレンジ(年少)さんの時から大好きな木工遊びですから、本当に小さな所に短くて細い釘を指で挟んで巧みに何本も打ち付け、着色もして、基地や武器などを作っていきました。実に見事に金槌や釘を使いこなしています。
粘土遊びでも木工遊びでも、自分の手や指を巧みに使いこなして自分の中のイメージを広げながら、形にしていることがわかります。このほかにも園内のあちらこちらで、指先を器用に使って様々な遊びが発展しています。
指先を使った細かい動きと脳の発達は密接に関連しており、指先を使う複雑な動作をするとき、脳の前頭葉が活性化されると言われています。前頭葉は、思考、問題解決、計画、意思決定などの高次な認知機能を担っている場所で、幼児期における指先の活動は脳の発達を促すことが多くの研究で明らかにされています。
このように、まんとみ幼稚園での子どもたちの主体的な活動には、この時期の発達に必要な要素がたくさん含まれています。子どもの遊びには全て意味があると言えます。