まんとみだより Vol.23

イメージを膨らませて遊ぶ

子どもたちは幼稚園の中にある色々な物や環境を使い、自分のイメージを形にして遊んでいます。そして、そのイメージを様々に広げて、新たな遊びを創造していきます。

11月初め、2人のキイロさん(4歳児)は、瓶ケースを使って工事屋さんごっこを始めました。ケースに塩ビパイプを通して、高低差をつけてスクーターの荷台に水を貯めようとしています。工事現場なので、円錐コーンに縄を張り、他の子が工事現場に入れないように気を配っています。

この時、近くで興味深げに見ているオレンジさん(3歳児)の姿がありました。

数日後、そのオレンジさんは園庭から見えるマンションの塗り替え工事に気づいて、閃いたようです。瓶ケースを積み上げてマンションを作ろうと思ったのです。マンションの工事囲いの飛散防止の網もつけようと考えたのでしょう。ナイロンの網を探してきて、紐で瓶ケースに貼り付けました。そして、とうとうケースを自分の背より遥かに高い4段重ねにしました。自分のイメージをとことん追求していく彼を、危なくないように保育者も一緒に遊んでいます。

遊んだ後には、彼は瓶ケースなどを元の場所にしっかりと片付けて、さらに円錐コーンに縄を張り、囲っていました。

瓶ケースを利用して水を通すパイプの高低差をつけるものに利用したキイロさん。その後、その遊びを見ていたオレンジさんが、瓶ケースをマンションに見立てることで、塗り替え工事遊びに熱中していました。

このように、子どもたちは大人から見ると日常のありふれたものでも、そこからイメージを膨らませて見立て、想像の世界に遊ぶことができるのです。また、その遊ぶ姿を見て、さらにイメージが膨らみ遊びが豊かに展開されてもいきます。新しいものを産み出していく子ども達の遊びの世界に、大人達も触発されて心が動き始めますね。