まんとみだより vol.38
地球を掴んで生きる ー「古臭い」は、生命の最先端ー
赤ちゃんが身近なものを何でも口にする時期があります。多くの保護者が目にするこの姿には、実は深い生命の営みが宿っています。イタリアの教育学者 マリア・モンテッソーリ は「子どもの行為に無駄なものは何一つない」と述べました。一見すると危うく見えるこの行動も、外界の多様な微生物と出会いながら免疫機能を成熟させていく、きわめて重要な発達過程の一つと考えられています。
翻って現代社会を見渡すと、私たちは「清潔」であることを過度に重視してはいないでしょうか。除菌や無菌環境を徹底することが安心につながる一方で、子どもが本来経験するはずの環境との接触機会を減らしている可能性も否定できません。適度な自然との関わりの中でこそ、身体はしなやかに外界へ適応していきます。
まんとみ幼稚園で子どもたちが裸足で外遊びをするのは、単なる伝統ではありません。裸足で土に触れることは、身体を通して環境と直接つながる経験です。足裏で大地の凹凸や温度を感じること、自然の中で多様な微生物と接触すること。それは人間が長い時間をかけて営んできた生活様式と地続きの行為でもあります。私たちは、こうした身体的経験こそが健康の基盤を形づくると考えています。

象徴的なのは、キミドリさん(年長児)が隣の公園で行っている裸足のリレーです。三学期になる頃には、子どもたちの足の使い方に明らかな変化が見られます。足指までしっかりと使って地面を捉え、踏み込み、蹴り出す。その積み重ねが土踏まずの形成を促し、身体全体を支える基礎を育んでいきます。現代の生活様式の中で見られやすい扁平足の予防にもつながると考えられます。

一見すると原始的で「古臭い」営みに映るかもしれません。しかし、細菌との共生を通して内側から免疫を育て、身体を通して大地と結び直す生き方は、むしろ現代において再評価されるべき知恵ではないでしょうか。実際、まんとみの子どもたちは年間を通して体調が安定している子が多いと感じています。

今こそ、原点に立ち返る時です。土に触れ、環境を過度に排除するのではなく、おおらかに受け入れること。身体を媒介として世界と出会い、地球を直接掴んで生きること。そのたくましい共生の中にこそ、子どもたちが未来を生きるための確かな土台があると、私たちは信じています。

