まんとみだより No.6

一学期、思い出されるシーン

お弁当を食べ終わるとお腹も気持ちも満たされて、年長さん達はリレーに集まっていき、年中少さん達は、鬼ごっこやダンスや虫捕りなど、自分の遊びに向かっていく。園庭に泥粘土コーナーを出すと年少さんもやってくる。この泥粘土は、まんとみ幼稚園の東浪見の敷地から掘り出した粘土質の土で、皆は『東浪見粘土』とよんでいる。石のように固い粘土を細かく削って、水で捏ねると、泥粘土になる。泥粘土の面白さは、水を多くするとのり状になり、水を少なくすれば粘土として様々な形に変化することだ。


 その粘土で遊んでいた時のこと、私の手や腕についた泥粘土が乾いて白くなっていることに年少さんのA君が興味をもったようだ。「ぼくも同じように白くしたい」といって、手と腕にのり状にした粘土をぬりたくり、やがて乾いて白い手ができあがった。するとA君は嬉しそうに、「ぼくたち仲間だね」「仲間の印だね」といって二人のお揃いの手を交互に見ていた。多くの子は手や腕に粘土がつくことにまだ抵抗を感じている時期に、3歳のA君の中に勇者的感覚を見たような瞬間だった。


2023年08月04日